育毛トニックに発毛効果はなし

「育毛トニック」というものがありますが、具体的にどんなもので、育毛剤とはどのような違いがあるのでしょうか。
製品内容を理解した上で購入・使用するのは良いですが、もし勘違いしている人がいるとしたら、少々問題かもしれません。
・育毛トニックと育毛剤は別モノ
かなり昔から、男性用にご家庭でよく使われて来たのがヘアトニックではないでしょうか。
頭皮につけるとスッとするような爽快感があり、ツヤや香りがある整髪料だったと思います。
最近では同じような商品を育毛トニックと呼び変えているようですが、基本をヘアトニックとして、そこに血行を促進する成分をプラスしたものが多いようです。
抜け毛や薄毛の改善を主とする育毛剤とは本来の目的が違いますので、育毛トニックで育毛しようとするのはそもそも間違いでしょう。
・爽快感や清涼感はあるが・・・
育毛トニックとして売り出されているものは、つけた時の爽快感や清涼感に特徴があるものが多いです。
ただ、この感覚を生み出すために刺激の強い成分が配合されている場合も多く、弱った頭皮には良くないケースも多いのです。
髪の毛の状態に問題が無く、頭皮環境も良い人がサッパリしたい時に使う分には良いかもしれませんが、本気で育毛を考える人にはマイナスになってしまう場合もあるのです。
・刺激成分に注意
育毛トニックの内容を知るには、商品に記載されている成分表を見れば良いでしょう。
成分表は多く含まれる順で表記する法律がありますので、だいたいの構成も知ることが出来ます。
残念ながら、ざっと調べても育毛トニックの大部分はエタノール類と水です。
つまり、アルコールの刺激が強いことになりますので、肌が乾燥してより頭皮の状態が悪くなるリスクがあることがわかります。
他にもトウガラシエキスやメントール、香料などが配合されているものもあり、弱った肌にはかなりの刺激水と言えるでしょう。
一時的な血管への刺激はあるかもしれませんが、これを「育毛」と呼ぶのは正直ちょっと疑問かもしれません。
育毛剤の医薬品、医薬部外品
育毛剤をドラッグストアなどで細かく見比べてみたことのある人ならわかると思いますが、医薬部外品と書いてあるもの、医薬品と書いてあるもの、薬用と書いてあるものなどがあると思います。
正直、何が何なのか、という話になりますよね。
それぞれの特徴をまとめておきましょう。
・そもそも育毛剤を名乗れるか?
育毛剤とは、髪の毛を育てる成分が入ったもの・・・というだけでは、実は名乗ることは出来ません。
もしあったら薬事法違反ですから犯罪です。
ヘアトニックが育毛トニックなどという言い方をしているのも、育毛剤とは明示出来ないからです。
育毛剤と言っていいのは、医薬部外品、もしくは医薬品のみとなります。
・医薬部外品は「その他」ではない
医薬部外品というと、「部外」という言葉があるため、医薬品ではないものすべてのような気がしてしまうかもしれません。
でも、医薬部外品は医薬品に準ずるものとして薬事法にしっかり定められたものです。
では「薬用」とは?という話になりますが、これは医薬部外品だと思ってOKです。
何故わざわざ薬用という言い方にしているかと言えば、なんとなく医薬品より医薬部外品のほうが劣った商品に見えるイメージを避けたかったのでしょう。
・どちらが良いのか?
医薬部外品は、安全性が高く作用が穏やかであるが、効果や効能には認められる成分が配合されているというものです。
販売に厳しい規制がないので比較的手軽に入手出来ます。
医薬品はそこから更に第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品と細かい分類があり、第1類医薬品になると薬剤師常駐の薬局で対面販売以外は認められなくなるほど強い作用があります。
医薬品のほうが成分濃度が高いですが、その分副作用も問題視されますし、買う時に制限が付くというデメリットがあるわけですね。
製品の価格にも差が出ますので、一概にどちらがどうとも言えません。
・大事なのは有効成分
どちらを選ぶにしても、有効成分が何なのかを知って選ぶ必要があるのは言うまでも無いことですね。
単に「医薬品だから良いのだ」と盲目的に信じるのも問題です。
本当に発毛効果のある育毛剤とは?

結局のところ、本当に発毛効果のある育毛剤は何なのか?というのが究極の質問です。
絶対的に言えることは、実際に自分で使って効果があったかどうかという結果論でしかありませんので、過去の実例で確かに発毛したという結果が出ているものを参考にするしかありません。
それが自分にも効果があるかどうか?・・・それだけは誰にもわかりません。
ただ、始めるのであれば少しでも確率の高いものを選ぶのが当然でしょう。
・ミノキシジルについて
おそらく今世界で一番効果があると認められている成分がミノキシジルでしょう。
髪の毛を気にしている人なら知らないはずはありませんね。
ミノキシジルは、1960年代にアメリカのアップジョン社が開発した経口血圧降下剤の副作用として見つかった発毛成分です。
アップジョン社がその後脱毛症改善薬として外用薬を開発したことで、各国でミノキシジル配合の商品開発が進み、日本でも一般の育毛剤として買える状況となりました。
・病院でも使われる成分
ミノキシジルは、AGAの専門病院でも使われている塗布剤です。
他にも抜け毛を食い止める薬が処方されますが、ミノキシジルの担当はズバリ「発毛」です。
AGA治療のガイドライン2010年版でもミノキシジルは有効とされています。
抜け毛の原因がAGAではない場合でも、ミノキシジルは発毛に関する作用だけを持っていますので、髪の毛の悩みに広く対応することが出来ます。
作用は広く、女性でも効果が見られます。
・ミノキシジル配合の育毛剤も
一般のドラッグストアで買える育毛剤でも、ミノキシジル配合の育毛剤ならその発毛効果には一定の評価が出来るでしょう。
使えば必ず誰でも発毛するとまで言えれば一番良いのですが、頭髪の問題は一人ひとりまったく条件が違いますし、原因は1つだけではない場合も非常に多いので、誰にも「絶対」とは言えないのが現実です。
ただ、過去の実例からは期待出来る結果が出ていますので、現時点でお勧めするならミノキシジルになるでしょう。